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元祖!ジョナサン・ミラー演出《フィガロの結婚》その2 [フィガロの結婚]

その1でご紹介しましたように「モーツァルトのオペラではショッキングな演出はしないし、できない。また私は歌手たちに馬鹿げた演技もさせない。なにかセンセーショナルなことを狙うのでない限り、そんなことをする必要もない。私は、人間のふるまいが、説得力を持ってリアルに描かれている舞台をつくりたいだけだ」と演出のジョナサン・ミラーが語っているように、まっとうでいきいきした舞台です。
ビデオクリップは、前回の1幕に続いて2幕です。ケルビーノの騒動がやっとおさまり、伯爵と伯爵夫人はとりあえず仲直りします。そこにフィガロが結婚式を早く、と駆け込んできます。結婚式を引き延ばしたい伯爵とフィガロ、スザンナ、伯爵夫人との攻防、二転三転して、伯爵はイライラ.......庭師のアントニオは酔っぱらって、植木鉢が壊されたと駆け込んで来るし、マルチェッリーナ、バルトロ、バジリオ3人組は契約書をたてに、フィガロの結婚を妨害しようとやってくるわの大騒動。

「ウィーン国立歌劇場のような、世界から歌手が集まってくる劇場では....一般に歌手たちは、ハードなスケジュールの合間をぬっては、リハーサルに駆けつける、といった具合で、親密で友好的な関係は生まれようもない....でもこの『フィガロの結婚』を制作したときは、私たちはすばらしい時を過ごすことができた。」

「キャストの面でも、私はとてもラッキーだった。たくさんの素晴らしい歌役者を得た.......指揮者とも、私はだいたいうまくやってきた。中には"どうして舞台がこんなふうになっているんだ"と怒る指揮者もいるけれどね。でもそんなとき私は言ってやるんだ、"そりゃ、あんたがもう少し早くからリハーサルに来ていればわかることだ"ってね。それが総合芸術としてのオペラの在り方なんだ。クラウディオは、その点、最初からリハーサルに来ていたね」

1994年ウィーン国立歌劇場来日公演プログラム、演出家ジョナサン・ミラーのインタビューから抜粋
ついでに、もうフィガロはやらないと宣言してから、契約の都合でしょうか、1985年にNYメトでフィガロをやってTV収録されています。前にもご紹介した2幕の同じ場面のビデオクリップです。スザンナは、キャスリーン・バトル、伯爵は、トーマス・アレン、伯爵夫人はキャロル・バネス、こちらもポネルの定番の演出で、活気に溢れています。
参考: 1985年NYメト、ポネル演出《フィガロの結婚》


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