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《運命の力》グアルディアーノ神父 [その他のオペラ]

2006-03-31の記事でもご紹介しましたが、昨日新国で《運命の力》を見てきました。
一部とはいえ、このオペラを初めて聞いたのは、R・ライモンディのCD《イタリアオペラアリア集》の中に入っていた、グアルディアーノ神父の歌です。普通は、ソプラノの有名なアリア"Pace,pace.mio Dio!"なのでしょうけれど。どういう場面の歌なのかも知りませんでしたが、とても美しいメロディーで、気に入っていました。
バス歌手のみなさんは、ほとんどがレパートリーにしているようですが、Ankenbrandさんも述べているように(下記)、バッソ・カンタンテのものでしょうね。特に若い頃歌うことが多いのではないでしょうか。ライモンディは、24歳のデビュー間もない頃、フェニーチェ座で歌っています。恐らく、主役を張るような歌手に成長してからは、ことさら歌っていないと思います。私の記録では、最後は1983年NYメトでの公演ですが、これは、他の公演のついでに、ということだと思います。全曲録音(右上写真)に若い頃参加してますので、ファンにとっては嬉しい限りです。(参考:公演記録)
※左上写真をクリックすると2幕2場レオノーラとグアルディアーノ神父の歌が聴ける
(アルヴァーロとはぐれたレオノーラは、コルドバ、オルナチュエロスの険しい山々に囲まれたフランシスコ会の修道院マドンナ・デッリ・アンジェリに辿り着く、そこでグアルディアーノ神父に会い、修道院近くの洞窟に隠遁する許しを請う)

ついでの話:
今年の2~3月のNYメトの《運命の力》は、なんとグアルディアーノ神父とメリトーネ修道士が、レイミーとポンスだったようです。どうでもいいですけどなんかちょっと一言言いたいキャスティングですねぇ、ネット放送もあったようですが、聴き逃しました。

 若きヴェルディは、バッソ・カンタンテのために非常に美しい役をいくつも提供している。この分類は、ルッジェーロ・ライモンディにも、澄んだ美しい歌唱は、彼のすばらしい才能の一部でしかないとしても、ある意味、当てはまる。
 パガーノ(ロンバルディア人)、シルヴァ(エルナーニ)、アッティラ、バンコー(マクベス)、プロチダ(シチリアの晩鐘)、ワルター(ルイザ・ミラー、この役が、彼は全然好きじゃない)、グァルディアーノ神父(運命の力)などがこのグループに属するし、アイーダのランフィスと国王も同様だ。
 これらはすべて、一方では、美しい音楽の流れと耳なじみのよいメロディーと結びついており、また他方では、歌唱効果を確実に達成できる。つまり、まさに言葉通りの意味で、「声」をひけらかすことができる。なにしろ、この「声」に、観客の大部分が相変わらず、繰り返し、盛大な拍手喝采をおくるのだ。
      Ankenbrand 著"Ruggero Raimondi Mensch und Maske"

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にぃにぃ

わぁ!遅ればせながら新国『運命の力』レポートを読ませていただきました。
お久しぶりです。
舞台全体には大きなハズレがなかったそうで、楽しいひと時をお過ごしになられたようで、よかったです。
そうお安くないチケットと手間をかけて、『外した!』って時は、凹みますものね…。
それにしても、オペラのストーリーはただ読むだけじゃ分からないですね。
理解する前に、そんなことある訳ないやろ!とか突っ込んでるからかしら??そんなことある訳ないやろ!っていうことの繰り返しが人生とも言えますが…。
>2幕2場レオノーラとグアルディアーノ神父の歌
聴かせて頂きました。
やっぱりこの声が耳になじんでいると、…keyaki様のお気持ち分かります。
by にぃにぃ (2006-04-02 21:38) 

keyaki

にぃにぃ さん、コメントありがとうございます。
>オペラのストーリーはただ読むだけじゃ分からないですね
そうですね、字幕付きの映像で見るのが1番いいかもしれませんね。それに、解説って、ほんとに見て書いてるのかしら??と思う様な怪しいのもありますよネ。
生で見て、映像を見ると更に違いとかもよくわかりますね。
by keyaki (2006-04-03 00:39) 

おさむ

上のバッソカンタンテの役の中でもアッティラとパガーノは音が高いんです・・ ライモンディーには丁度よい音域でしょうね だから低いドバスのひとにはしんどいですね ヴェルディのバスの役自体上は高く下は低く声質も求められますから難しいですね アッティラとパガーノが余裕で歌えたらカンタンテで売り出せますね ライモンディー、シエピ、Fフルラネット、Eシュロット、Sレイミーあたりがあってるんでしょうが スカンディウッディ、Pブルチェラーゼなどの重い人も歌ってます Gスーリアンのアッティラを聴きましたがあまり好きな声でなかったです Nギャウロフも合ってると思いますが 録音を見たことないですね 彼は発声練習ではハイCもでるそうです・・・
by おさむ (2006-04-03 14:54) 

keyaki

>Gスーリアンのアッティラ
フェニーチェの来日ですか。スーリアンは、このところライモンディのアンダーのようなかんじですね。
バスだけではないですが、ロシアとか東欧系が多いですね。
イタリア人では、フルラネット、スカンディウッディに続く世代は、ペルトゥージとかコロンバーラかな、ダルカンジェロはヴェルディは歌わないみたいですし、、、
シェピは、71才で引退だったようですね。晩年は、脇だったみたいですけど。
by keyaki (2006-04-04 00:09) 

通りすがり

スーリアンは、このところライモンディのアンダー>オペラ界でアンダーといったら・・・アンダーステイのことだろうと思いますが・・・・スーリアンは他の歌手のアンダーステイをするほど暇ではないと思います。
by 通りすがり (2006-04-07 19:08) 

keyaki

通りすがりさん、コメントありがとうございます。
そういう意味ではありませんので、"、、ような"というように"ような"をつけました。
スーリアンは、ライモンディより忙しいと思いますよ。あっちこっちでひっぱりだこです。
まあ、今年は特にライモンディとセットの公演が多いので、そんなふうに思ったわけです。
by keyaki (2006-04-08 00:41) 

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