バス・バリトンの小さい役:殺し屋スパラフチレ(リゴレット) [リゴレット]
オペラ歌手は、普通は小さい役からはじめて、大きい役に移っていきます。デビュー当初はどこかの歌劇場と専属契約を結び、経験を積んで行くのが通常のパターンのようです。契約した歌劇場のインテンダントが、その歌手の能力を判断していつどこでなにをやるか決定するわけですから、有能なインテンダントと出会えるかどうかもオペラ歌手としての将来を左右するものといえると思います。
R.ライモンディの場合は、フェニーチェ座と1965年23才で、その当時のインテンダントのマリオ・ラブロカに認められ、5年契約を結び、もちろん将来有望と判断されたからですが、その間に、小さい役からはじめて大きい役に移っています。
R.ライモンディは、下記の表のように1966年に、おそらくフェニーチェ座の巡業公演だと思うが、《リゴレット》の殺し屋スパラフチレを歌っている。 1971年第6次イタリア歌劇団来日公演で、メインは、《ファヴォリータ》のバルダッサーレだったが、この《リゴレット》のスパラフチレも、イヴォ・ヴィンコとダブルキャストで出演した。 この舞台を見た人の感想をネットで見つけたが、R.ライモンディのスパラフチレに衝撃を受けた・・というような記述があった。ほとんど見えない映像で残念ではあるが、少しはその様子が伺える。 この公演全体についても今時の来日公演にはないような観客の熱狂振りが伝わってくる。 ※ビデオクリップ左:リゴレットに殺し屋スパラフチレが声をかける ※ビデオクリップ中:妹にマントヴァ公爵を殺さないで欲しいと懇願される ※ビデオクリップ右:ジルダが身代わりになって殺される場面 |
R.ライモンディのスパラフチレ(リゴレット)出演記録(1966〜1972)
1966年5月(24歳) シュトゥットゥガルド(7日) ドルトムント(10日) フェニーチェ(18日) | フランチ指揮 Harrower, Griglia Mori, Protti ,D'Angelo,Laghezza,Pallini |
1971年9月(29歳) 東京文化会館 | 第6次イタリア歌劇団 キャスト詳細 《ファヴォリータ》の合間に |
1972年6月10,22日(30歳) NYメトロポリタン | ボニング指揮 サザランド、パヴァロッティ、ミルンズ 《ドン・ジョヴァンニ》の合間に |
1973年2月22,28日(31歳) NYメトロポリタン |
Ignace Strasfogel指揮 グリスト、アレクサンダー、ヴィクセル 《ドン・ジョヴァンニ》の合間に |
※関連記事: 2005-08-261971年NHK招聘「イタリア歌劇団」のプログラム
※このCDでは、モンテローネ伯爵を歌っている。恐らくはじめてのスタジオ録音だと思う。モリナーリ・プラデッリ指揮、レリ・グリスト、ニコライ・ゲッタ、コーネル・マクニール
2005-12-15 10:14
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コメント(7)
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>殺し屋スパラフチレ(リゴレット)
この役はなかなかおもしろい役だと思います。すばらしい重唱もありますしね。映像では、ポネル映画版のスパラフチレが好きです・・・ ビデオクリップ、ぼけぼけでほとんど何も見えませんけど、わくわくします^^!
by euridice (2005-12-16 06:49)
カッコイイビデオクリップありがとうございます!
スパラフチーレ大好き(笑)なんですー!スパーラーフ↓↓チーーーレーー↓↓...って歌うとこ痺れちゃいました^-^!最後の重唱もバッチリお兄ちゃんの声が聞こえて素敵です。
by (2005-12-16 08:28)
殺し屋のファンもいるんですね^^!
ポネルのは、いかにもって扮装だったような・・
ポネルので記憶にあるのは、ちゃんと藁を敷いて、準備しておいて、刺すんですよね。床に血が残らないように。で殺して、藁をほうきで掃いてましたよね。
りょー さんは、脇役にも詳しいですね。
ネットでこの公演を見た人の感想文を見つけたことがあるんですが、ライモンディのスパラフチレの歌と演技に度肝を抜かれた・・・みたいなことを書いてました。
刺してあっというまに肩に背負って舞台奥に消えるのが、音楽に合っていてすごい早業ですよね。他の舞台の映像もいろいろ見てますが、この辺の記憶は全くないのに、ほとんど見えないこの舞台が、1番強烈で、忘れられないですね。
by keyaki (2005-12-16 09:20)
>ちゃんと藁を敷いて、準備しておいて、刺す
いや〜〜
まあ、死体を包む麻布、妹が繕ってましたけど^^;
やっちゃった後、妹が藁をばらまいて
お掃除するんじゃなかったですか?
by euridice (2005-12-16 10:04)
>やっちゃった後、妹が藁をばらまいてお掃除するんじゃなかったですか?
あぁ、そうでしたね。藁が印象的で、前後の記憶が曖昧でしたね。失礼!
>死体を包む麻布、妹が繕ってましたけど^^;
そうでしたね。
兄妹が助け合って生きてるんですねぇ。
これも公爵がパヴァちゃんでしたね。
このNHKのもそうなんですけど、左手にハンカチにぎりしめて歌ってましたよ。この頃からのおまじないなんですね!
by keyaki (2005-12-16 10:33)
ポネルの映画のスパラフチーレは、若い頃のフルラネットでしたね。
すごい汚な作りだったので、言われないとわかりませんが。
マントヴァに行った時、「スパラフチーレの家」もあるというので、わざわざ湖の向こうまで探しに行きました<暇人…
それっぽい古い家があったけど、そうだったのかどうか?
「リゴレットの家」にせよ、あること自体がおかしいんですけどね (^^;
by なつ (2005-12-17 15:41)
なつさん、そうです。
フルラネットも若い頃に、スパラフチーレをやったということで、やっぱり、新進バス歌手の定番コースということでしょうか。
>「スパラフチーレの家」
それは面白い! ポネルの映画版では、床下が水面になっていて、ちゃんと死体を落とせるようになってましたね。ボートで死体を受けとるんですよね。
by keyaki (2005-12-18 09:20)