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ライモディのファン("Don Pasquale"2004.12ボローニャ公演) [ドン・パスクアーレ]

ネットのお仲間から、ライモンディの公演のレヴューが掲載されているオペラ雑誌の切り抜きをもらいました。ありがとうございます。イギリスのオペラ雑誌"OPERA NOW"の5/6月号、レビューは、昨年12月RRの故郷での公演「ドン・パスクァーレ」です。前にもオペラ雑誌の記事で書きましたが、"OPERA NOW"は記事が遅いといわれているように、半年近くたってのレビューです。イギリス国内のは、もう少し早く掲載されるのでしょうか。
このレビューは、RRのデビュー40周年の記念公演ということを踏まえて書かれたのではないかと思います。

 「40年に渡る輝かしいオペラのキャリアの後、63才で、今もなおRRは力強いバスの声の素晴しい名残と、その比類ない演技力の衰えることのない魅力によって、複数のオペラハウスをsold-out にできる。
 最近、マチェラータ音楽祭(ホフマン物語に出演)と彼の故郷ボローニャで、彼のファンは大きく分けて二つに分類できることを発見した。若いオペラ狂、ライモンディのライヴを見たということが自慢の一団。そして老いた灰色の一団、こっちは1960年代半ばからライモンディを追っかけていて、頭を振りながら、「すばらしい。でもね、彼の全盛期はこんなものじゃなかった」と言う。どちらも、ある意味、間違っている。
 キャリアの初期には、ファルスタッフ、ドン・アルフォンソ、ドン・パスクワーレ(これらの役は実際のところ、彼の驚くほど広いレパートリーのなかで、最近習得したものだ)といった人物はやっていなかった。声的な力、息のコントロールはもう衰えてしまったが、早口でシラブルを際立たせて歌うといった一定のベルカントの美しさ、訓練によるものよりは、生まれつきもっているものは、まだ健在だ。
老齢のbachelorの「生まれ変わり」のカバレッタ、'Ah! Un foco insolito'を部屋着を着て、ワルツをおどりながらのライモンディの機関銃のような歌いぶりで聴くがいい、あるいは、悲しい歌'E'finita,Don Pasquale' にむせぶ彼を見るがいい。
 これは記念碑的な体験である。私たちは、偉大なオペラブッフォとはいかなるものかということをこれによって理解する。死すべき運命にもかかわらず人生を肯定するもの。(音楽史学者によれば、ドン・パスクアーレはこのジャンルの最後の作品"swansong")
 1940年代後半から1960年代半ば生まれの観客に、若い演出家Gianni Marrasはその時代のムードを伝えることに成功した。時代特有の漫画、タブロイド版の新聞を参照することが一貫したテーマだ。
paper moonの下で、プレッピーたちがエルビスのそっくりさんが口ずさむ'Com'd gentil' の旋律に合わせて濃厚な性的愛撫にふけった。(エルネストを演じたBruce Sledgeみたいに)
 Elena de la Mercedのノリーナは、ウィリアム・ワイラーのローマの休日のオードリー・ヘップバーンのキャラクターだ。二つの愛の歌はもの凄く効果的だった。舞台装置の色のように強烈だったら、忘れ難い瞬間を提供したかも。
 マラテスタのGabriele Vivianiは新発見だった。この役のすばらしい先輩Claudio Desderiを彷彿とさせられる時があった。コーラスは、この劇場の評判を高めた。」CARLO VITALI(MAY/JUNE 2005 Opera Now)
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2005年12月17日の「ドン・パスクァーレ」公演終了後、ボローニャ市長より「オペラ歌手デビュー40周年」を祝って金のメダルが贈られました。衣裳のままですが、カツラはとっていますね。

実は、RRは、初日は風邪で、お友達のブルーノ・プラティコに代役をお願いしました。イタリアのオペラ雑誌L'operaは、初日のレビューのみ掲載しました。ですから、この記事はとても貴重です。

関連記事:7月10日記事「もしかしたら「ドン・パスクァーレ」が」


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コメント 5

euridice

>ローマの休日のオードリー・ヘップバーン
を当てた?ノリーナというのは写真の女性かしら?
私、このオペラ、全然知らないので・・・ 
それにしても、
そう見えるには一定以上の容姿と演技力が不可欠でしょうねぇ・・・
by euridice (2005-07-30 12:54) 

keyaki

>写真の女性かしら?
そうです。
このオペラは、簡単に言えば、金持ちの老人をコケにする話です。まあ、めでたし、めでたしで終わりますけどね。

>そう見えるには一定以上の容姿と演技力が不可欠でしょうねぇ・・・
写真では、ほっそり美人です。演技力ねぇ、ライモンディが相手なら、大丈夫じゃないですか??なんちゃって。
by keyaki (2005-07-31 03:30) 

ヴァラリン

遅ればせながら、どうも~~^^
>イタリアのオペラ雑誌L'operaは、初日のレビューのみ掲載しました。
あら、そうだったんですか^^
こういうのって、各国の雑誌によっても取り上げ方が違うでしょうから、色々見てみると、新たな発見があるかもしれませんね!
そうするお、アメリカの『オペラニュース』はどうだったのかな~とか、気になりますね(^^)
またこちらで簡単に手に入る雑誌で、RRさんの記事が目に付いたらお知らせしますね!
by ヴァラリン (2005-08-01 21:52) 

keyaki

こちらこそ、どうもです~~^^
レビューは初日を見て書くというのが原則なんだそうです。
でも、この公演は、RRのためのものなのに・・・。
アメリカの『オペラニュース』は、多分取り上げてないですよ。
オペラは、メトが中心なんて思っている人達ですもの。
>RRさんの記事が目に付いたらお知らせしますね!
ありがとうございます。
私も、ヴィノさんのこと気にかけておきますね。
by keyaki (2005-08-02 00:54) 

rosina

ヴィヴィアーニ、もうこの頃から有望株と見られていたんですね。

それにしても、40年とはライモンディも長いキャリアで何よりです。バスとは若い頃の方が声には艶や深みがあると聞いた事がありますが、やっぱり芸の方は一生磨き続けるものであり、また磨けばより光るものなのでしょうね。私の初ライモンディは遅くて、なんと2005年のドン・バジリオだったのですが、あの『陰口の歌』には迫力があり、さすがでありながらも、同時にとぼけた雰囲気の役にハマっていました。その後、スカルピアやフィリッポ、エスカミーリョ等を観た(映像ですが全部)けれど、本当に演技力(歌も含め)があるなあと思います。
by rosina (2008-07-09 18:39) 

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