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映画「ボリス・ゴドゥノフ」Boris Godunov (1989) [ボリス・ゴドノフ]

アンジェイ・ズラウスキー監督(Andrzej Zulawski 1940.11.22 ポーランド、ルボフ)

ライモンディのオペラ関係の映画の出演は、1979年「ドン・ジョヴァンニ」、1984年「カルメン」、1989年「ボリス・ゴドゥノフ」、2001年「トスカ」と続くわけですが、「ボリス・ゴドゥノフ」は、監督がなかなか決まらなかったり、訴訟問題に発展したりでご難続きでした。
この映画の製作者もダニエル・トスカン・デュ・プランティエですが、彼はR・ライモンディのボリスが撮りたかったそうです。「ボリス・ゴドゥノフ」の映画化計画は、10年以上前から進められていて、レコーディングはロストロポーヴィチ指揮、ナショナル交響楽団で行われました。
一方、監督はトスカン氏の構想では、黒澤、タルコフスキー、アンジェイ・ワイダが視野に入っていたようですが、黒澤は資金集めが難航していた「乱」の製作が可能になったことで流れ、タルコフスキーは亡くなり、ワイダとはかなり具体的なところまでいったそうですが決まらず、ようやく新進のアンジェイ・ズラウスキーに決定。 ライモンディは、ズラウスキー監督の描くボリス像が、彼の考えとかなり違っていたため、相当迷ったようですが、録音して期間があくとそのときの気持ちで歌うことが難しくなるということで、なんとか折り合いをつけたようです・・とはいえ、あっけにとられるくらいの鬼気迫る迫真のボリスです。
録音は4時間近くある版ですが、映画は2時間弱、ただ、短くしただけではなくボリスの描き方がかなり違います。

ついでの話(1):
アンジェイ・ズラウスキー監督は、ソフィー・マルソーの夫だそうです。

ついでの話(2):
映画のピーメン役のベルナール・ルフォール(歌はポール・プリシュカ)は、元オペラ歌手(バリトン)で、'65-'68にかけてマルセイユ・オペラの監督、その後エク・サン・プロヴァンス祭の総監督として成果を挙げ、リーバーマンの後任として1980年にパリ・オペラ座のインテンダントに就任。任期満了をまたず、1981年に辞任。


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euridice

この映画は日本では完全無視ってところですか・・・ どこかでひっそり上映されたことはあるのかしら?
by euridice (2005-06-07 08:53) 

keyaki

クランクインの時は、レコ芸っていうのかな、雑誌でも取り上げてますから、完全無視ではなかったとおもいますけど、興行的に難しかったんでしょうね。訴訟問題もあったし。
一部のオペラファンは楽しみにしていたはずですけど、残念でした。ですから、「トスカ」の時は、日本で上映されると知った時は夢かとおもいました。オオゲサネェ
○○映画祭とかでひっそり上映というのもなかったようです。
ライモンディがライモンディ自身でちょこっと出ているロージー監督の「鱒」は京都映画祭で上映されているようです。
ソ連がお好きな歴史絵巻的ボリスではないので、映画好きには受けたのではないかと思いますけどネ。
by keyaki (2005-06-07 10:47) 

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