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"オペラ歌手"のことを書くプロの人達の不思議(5) [RRのはてな?の紹介文]

音楽ジャーナリストは、どんな人がなるの? 石戸谷結子って!?
2003年ザルツブルグ夏の音楽祭の目玉は「ホフマン物語」、この公演のレビューを見つけ仰天。(すでに録画を見ていたので、吃驚しましたが、見てなければそうなんだ・・・とおもっただけでしょうね)
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オッフェンバック◎ホフマン物語(文 石戸谷結子◎ 音楽ジャーナリスト)
ホフマンはファウストのような初老の男(それともこれがシコフの地?)で、・・・豪華顔ぶれの歌手のうち、女性陣が凄かった。ミューズのキルヒシュラーガーは声量も出てきて表現も深くなり、アリアも多く出ずっぱりで、ほとんど主役扱いの大奮闘。むしろホフマンは影がうすい。・・・ホフマン役のニール・シコフは設定が冴えないせいか、調子はいま一つ。悪魔四役のルッジェーロ・ライモンディはもう音程が不安定で凄味が足りない
※全文読みたい人はどうぞモーストリークラシック警告!裸の女性が出ますが冷静にスクロールして下さい)
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◆もう音程が不安定で凄味が足りない
この『もう』は何!でしょ。 この公演は、プレミエが放送されましたし、テレビ中継もありましたので、私もネットで生中継を聴きましたし、録画も見ました。さすが凄味があると思いましたし、『もう』といわれるような音程の不安定さは感じませんでした。
もちろんオペラ歌手も生身の人間ですから不調なときもあるでしょう。でも、そこまで書くなら、何日の公演かくらいは明記してほしいです。(プレミエとは限らないこともあるでしょうから) 声も演技もダメダメでしたら、観客からはブーの嵐だったんでしょうね。
◆ホフマンの影が薄い
感性の違いと言ってしまえばそれまでですが、一般のオペラファンに読んでもらうレビューであれば、少しは客観的な見方も必要でしょう。 シコフは大熱演で、マクヴィカーの演出は、ホフマンをずーっと舞台上に出しているものでしたから、そもそも「ホフマンの影が薄い」演出ではないし、演技指導も行き届いてました。シコフが体調くずして、出演できなかった時、舞台ではマクヴィカーが演じたというのも納得できます。
◆ファウストのような初老の男(それともこれがシコフの地?)
とても失礼な表現です。それにどうみても中年か、それ以下に見えました。初老の男の動きではないです。ここになんの関連もない「ファウスト」を持ちだすあたりも不思議な感じです。
◆ニール・シコフは設定が冴えないせいか、調子はいま一つ
これも奇妙で不思議な感じです。文章としても可笑しいです。

こういう切って捨てるようなふざけた書き方、日本語だから、関係者が見ないとたかをくくっているのか、よほどの厚顔無恥としかいえません。少なくともマイナーな意見を書く時はそれなりのルールがあるでしょう。歌手に対する敬意がまったくない、こういう人がプロの音楽ジャーナリストとは不思議な感じです。
日本から見に行った方のレポートも2、3ネットで拝見しましたが、みなさん多いに楽しまれた様子が伝わってきました。
これくらいに目くじら立てるのは、ファンのヒステリーだと思われるかも知れませんが、こういう書き散らかしのレビューはオペラファン全体をバカにしていると思ってます。

参考1)ヨーロッパのレビューはどうだったか。
◆ドイツ語のレビューは、この公演全体に対してなぜか酷評が多かったとか。シコフとライモンディに関しては年齢的なことを書かれていたようです。実際に見に行った方達は、役柄的に若さが要求されるものでもないのに、どうしてこのようなレビューが出るのかわからない・・・と言う反応でした。
雑誌L'Operaのレビューは、演出の紹介が詳細に書かれており、シコフとライモンディについては否定的なことは書かれていません。
ネットで見つけた英語のレビュー同じく否定的ではない
参考2)ビデオクリップ:上の写真をクリック(約4分)配役はこちら

※石戸谷結子経歴:1946年青森県生まれ。早稲田大学卒業後、音楽之友社に入社。『音楽の友』編集部を経て85年に退社。フリーランスの音楽ジャーナリストとして『FMファン』(91年までは橘ゆきのペンネームで執筆)、『BSファン』『ヴァンサンカン』『ウィンズ』などを中心に執筆活動を行う。専門ジャンルはオペラ・声楽
※音楽出版社を退社後、長年にわたって音楽ライターを生業としてきた著者は、インタビューのプロフェッショナルである。(1994年発行 マエストロに乾杯より)


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コメント 9

euridice

以前、この方の著書「マエストロに乾杯」について取り上げましたので、TBさせてください。

最近はネット上で、演奏者や演奏会を投資銘柄扱いした文章を書いていらっしゃいますね。
by euridice (2005-05-13 17:37) 

TARO

そういえば橘ゆきという人いました。この人が石戸谷さんになったの?ビックリです・・・って、それほどのことでもないか。
by TARO (2005-05-13 21:23) 

euridice

石戸谷結子が本名ですね、たしか・・・
by euridice (2005-05-13 21:35) 

にぃにぃ

この記事を読んだことあります。その頃はもう驚きゃしませんでしたが。
でも、実際はどうなのか、自分の目と耳で確かめることのできない人(ライモンディを知らない人や、私のように知っていても衛星中継が受信できない人など←地上波でやってました?)はこう書いてあれば信じちゃいますよね。
告白すると、実はこれを読んで
『あのライモンディもそろそろ終わりかな?』
と、薄ら寒い思いをしたものです。
keyakiさまがアップして下さったので、不安はすっかり晴れましたが(^_^)
ありがとうございます。

ファンは知りたい一心でどんな小さな記事でも、真剣に読んでいます。そして信じてしまいます。あなたの一文にはそれだけの影響力があるのです。

こうした記事を書く立場の方に是非わかっていただきたいです。
by にぃにぃ (2005-05-13 23:31) 

ヴァラリン

私も昨日、ちょうど石戸谷さんについて記事の中で触れました。
で、該当箇所にこちらの記事のリンク&TBさせて頂きました。

>最近はネット上で、演奏者や演奏会を投資銘柄扱いした文章を書いていらっしゃいますね。

ええ。『音楽の友 3月号』でも書いてらっしゃいますよぉ・・(笑)
by ヴァラリン (2005-05-14 07:14) 

YUKI

音楽評論家の論評もやはり多少自分の好みもあるのでは・・・?って雰囲気も感じなくも無いのですが、ちょっと全体のけなし方が・・・。(-_-")

>ファウストのような初老の男(それともこれがシコフの地?)

ちょっと失礼な感じですよねぇ。
年齢は関係ないと思います。
ライモンディに対しても音程の批評はその時のコンディションがあるのでけなすばかりでなく何処か良い面もあると思うのでそう言うのも書いて欲しいですねぇ。
本当にこの「もう」は何なのだろう・・・って感じました。

歌手の歌や演技もやはり全体の演出で影響が出るでしょうねぇ。(--;)

この石戸谷さん、オペラのストーリーを解説した本も出してらっしゃいましたねぇ。
私もkeyakiさんがおっしゃっている「モーストリー」のページ見た事があります。
ちょっとのけぞりそうになりました。(^^;)
by YUKI (2005-05-14 16:01) 

なつ

この記事、私も読みましたが、この人の書くことだからなー、と、もはや腹もたちませんでした。
誰でも「主観」で文章を書くものですが、その主観の裏には、きちんとしたバックボーンがなければいけないな、と思います。そういう意味では、この方は「反面教師」ではあります (^^;

以前、NHKの教育テレビで作家の島田雅彦さんが案内役をした番組があったのですが、相手役が石戸谷さんでした。
島田さんが好きな歌手として、あるい大テノールの名を挙げたら、すかさず石戸谷さん「でも、あの人、足が短いんですよね」
島田さんはさらりと「石戸谷さんは、顔で歌手を選ぶから」(「声で歌手を選ぶんじゃないから」だったかもしれません)と、かわしていましたが、私はテレビのを見ていて、ひじょうに不快でした。
こういう発言を公共の場で出来るということは、評論家である以前の問題ではないでしょうか?
by なつ (2005-05-14 16:24) 

ちーこ

「ミューズのキルヒシュラーガーは声量も出てきて表現も深くなり、アリアも多く出ずっぱりで、ほとんど主役扱いの大奮闘。」
わたしはこの表現ひっくりかえりそうになりました。
まるで歌手のよしあしによって歌の出番や、登場が増えるかのような書き方。

明らかにキルシュラーガーを贔屓にしているような書き方ですね。
日本ではファンの書き込みとプロの評論家とは、あまり区別がないのでしょうか?

(ウイーン在住
by ちーこ (2005-05-30 10:06) 

keyaki

ちーこさん、はじめまして。
>日本ではファンの書き込みとプロの評論家とは、あまり区別がないのでしょうか?

石戸谷さんという方は、たまたま音楽関係の出版社に入社して・・みたいな方で、こういう人も評論家になってしまうんですね。
「日本語」ということで、いい加減プラスα大胆になっている気がします。
彼女の場合は、誰のファンかすぐわかりますね。今は、シコフやライモンディのファンでないことは明らかですね。ファンじゃなくてけっこうなんで、もっときちんとした文章でお願いしたいものです。
日本の音楽関係の雑誌はめったに読みませんが、これは、ネット上にあるんですよ。見たくないものを見せられてしまったということです。

>まるで歌手のよしあしによって歌の出番や、登場が増えるかのような書き方。
ほんとにそうですね。
舞台上に出ずっぱりなのは、そういう演出だからですし、「ファウスト」と「ホフマン物語」を混同しているとしか思えない節もありますしね。

インターネットで個人でも情報を得られる時代なのに、日本在住の一部の音楽ジャーナリストは、時代遅れなんですよ。

ウィーンにお住まいなんですね。今後ともよろしくお願いします。
by keyaki (2005-05-30 10:41) 

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